忠実と信義でこの世を渡る【伝統文化】

参考写真 ( Sam Sabri / unsplash )

孔子が衛国から魯国に帰るとき、大きな川に阻まれて進めなくなった。その川は水深数百メートルと言われ、大きな渦を巻きながらほとばしる水の中では生き物も生息できないという。

 この時、川を渡ろうとした青年がいた。孔子は慌てて彼を阻止し、「これほど深く流れが速い川には魚も住めないというのに、泳いで渡ろうとするなんてあまりに危険だ」と言った。

 しかしその青年は孔子の言葉を気にもかけず、やすやすと川を渡ってしまった。孔子は青年に川を渡ることができた理由を聞いた。

 青年の答えは単純明快だった。「特に何もありません。ただ自分を信じて、この川を渡れると考え、そして全力でそれを成し遂げようとする、これだけです」

 孔子は弟子たちのほうを振り向いた。「聞こえましたか。自分を信ずることは『信義』に通じ、全力を尽くして何かを成し遂げようとすることは『忠実』に通じるものがあります。『忠と信』で物事に臨めば、これほど恐ろしい川の流れにさえ抗うことができるのだから、ましてやこの世はなおさらです」

『孔子家語』より

(翻訳・文亮)

転載 大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70531.html

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