【党文化の解体】第3章(7)

【大紀元日本1月22日】

1.宣伝機関総動員で党文化を押し広める
3)国民の思想を統制する常套手段
(2)「嘘も千回繰り返すと真理になる」

 かつて、ナチス・ドイツの宣伝大臣パウル・ヨーゼフ・ゲッベルスは、「嘘も千回繰り返すと真理になる」と言ったことがあるが、中共はこの名言の忠実な信者である。

 文革期には、「階級闘争を毎年、毎月、毎日口にしなければいけない」、「毛沢東の著作を毎日読まなければいけない」、「地方の新聞は中央の新聞内容を写せばよい、中央の新聞は梁効(社説などを執筆する集団のペンネーム)の文章を写せばよい」などと言われていた。そして、現在は、「報道内容を統一せよ」、「新華社の文章をそのまま転載せよ」と命じられている。

 このような中共の嘘も、繰り返し宣伝されることによって、人々の根強い観念になってしまい、そのうち人々は、それらの観念は自分が考え出したことだと思うようになる。

 繰り返される宣伝は反感と風刺を招くことになるが、中共は決してそれを恐れていない。こうした初歩的な洗脳手段が繰り返し使われるうちに、人々は「中共の詐欺術はこの程度だ。それなら無視したら良いだろう」と思うようになり、学識者はさらに自信満々で、絶対に騙されないと考える。

 しかし、中共の宣伝に使われている語彙、概念、スローガンを無意識に使っているうちに、中共の思考方式が徐々に人々の潜在意識にインプットされ、そのうち人々の自発的な感情と判断基準に取って代わってしまう。そうなると、一旦それらの語彙や概念を使えば、自ずとその思考方式に入ることになり、その結果、自分の思考によって得られた結論はすべて「党」の思惑通りとなるしかない。

 例えば、民主運動活動家を「民主運動分子」と呼べば、彼らに対して決して好感を持つことができなくなるし、「解放」や「新中国」といった語彙を使えば、きっと中共に多少なりとも感謝の気持ちを持つことになる。もし、中共を親しげに「党」と略称すれば、この凶悪党が中国を統治しているのは当然のことで、かつ合理的、合法的なことだと認めているのに等しい。また、文革を「大災難」と叫ぶうちに、中共の暗示を受け入れ、ある種の神秘的な超自然の力が文革の災難をもたらしたと信じ、文革と中共の暴政の間にある必然的な繋がりを見落としてしまうことになる。

 さらには、失業者を「下崗労働者」(休職者)と呼ぶなら、自らの意志で中共の宣伝方策に協力することになる。なぜなら、その言葉は、「失業」は資本主義制度にのみ見られる特有な現象で、破産、流浪、飢餓、自殺などにつながるのに対して、社会主義の制度下では「下崗」(休職)しか存在せず、いつかは復帰することができるということを暗示しているからである。

 中国人の話を聞き、中国語ネットに載っている愛国青年たちの文章を見れば、中共が繰り返している洗脳宣伝がどんなに効果的なものかお分かりになるだろう。

 (続く)

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