【党文化の解体】第3章(8)

【大紀元日本2月1日】

1.宣伝機関総動員で党文化を押し広める
3)国民の思想を統制する常套手段
 (3)民意をでっち上げ、学識者に訴え、心理戦を駆使する

 中共は人民の真実の声を奪い取った後、自分こそ大多数の民意の代表者であると宣言して、宣伝上の優位に立った。さらに人々が多数派に従うという心理を利用し、党文化の嘘と偽りのものを国民に押し付けた。

 1957年、反右派運動の時、新聞雑誌の見出しに溢れていたのは、すべてこのようなものである。「労働者階級は支持を表明した」、「全国の各民主党派がすべて共産党の立場と一致して、共に右派を討伐している」、「全軍の士官と兵士が右派を激しく批判」、「少数の右派は人民の重囲に陥った」、「右派はひとつまみの腐敗分子で、多数のインテリは党の支持者だ」……とあるように、一瞬の間に「右派分子」は人民の「果てしない海」に陥り、至るところで監視されていると感じるようになった。

 中共は政治運動を起こす時はいつも、党、政府、軍隊、労働組合、青年団委員会、婦人連合会、民主党派、無所属者、宗教界、教育界、科学技術界、文化芸術界、法曹界、「各民族の同胞と海外の同胞」、「香港・マカオ・台湾の同胞」、更には普通の労働者、農民を利用して、全方位から「摘発」、「批判」、「告発」などを行い、国民全体が支持を表明したかのような虚像を作り上げた。

 独自の見解を持っている人達は、まるで「少数派」のような劣勢に置かれ、たとえ異議があっても言い出す勇気がなくなり、自分を信じる勇気を失うことさえあった。中共が法輪功に対する迫害の中で起こしたいわゆる「百万人の署名」とは、「多数派勢力」の偽造、「民意」の偽造など、従来の手法と同一のものである。

 「民意」を偽装する外、中共の心理戦術は「権威者」に訴えるという手法も含む。大衆は、多少なりとも「権威」崇拝の心理をもっており、「専門家」、「教授」、「学識者」の話は市井の庶民の話に比べて重みがあり、かつ中共官員の話より中立、客観的であるように見える。

 しかし、中共の統治下では中立、客観的な専門家は存在しえない。たとえいても、決して中共のメディアでまともに登場することはできない。中共は党の御用「理論家」や「科学者」を操ってマスコミに出させ、「党」の言いたい内容を学術用語で包装して言わせる。ところが、一般の民衆は「党」と「専門家」の演技を見破ることができないため、党文化宣伝の犠牲そのものになってしまうのである。

 (続く)

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