中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)オーストラリア支社の最高経営責任者(CEO)である劉浩生氏の元妻、冉華(ゼン カ)氏はこのほど大紀元の取材に応じた(大紀元)
【脱党支援センター2019年1月3日】
中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)オーストラリア支社の最高経営責任者(CEO)劉浩生氏の元妻、冉華(ゼン カ)氏はこのほど、大紀元の取材に応じ、ファーウェイが世界各国の通信会社との業務提携を通じて、現地政府に中国当局の影響力を拡大させることを任務にしていると暴露した。
劉浩生氏は1998年にファーウェイに入社後、ドイツ支社、ベルギー支社、インドネシア支社のトップを務めてきた。今年5月に、ファーウェイの豪州支社CEOに着任した。豪州政府は昨年8月、同国の次世代通信規格(5G)構築からファーウェイ排除を決定した。
冉氏は2004年劉氏と結婚し、2017年10月に離婚。その後、冉氏の携帯電話が盗聴され、個人用のパソコンや電子メールなどがハッキングされ、銀行口座を含む個人情報が流出していた。冉氏は、中国当局とファーウェイがこの嫌がらせの首謀者だと訴えた。自身が、ファーウェイは共産党内の江沢民派と密接な関係にあると知っていることが原因だという。同氏は5月19日、フェイスブックに投稿した声明でも、同様の訴えをした。
インタビューで、冉氏は「ファーウェイは民営企業だと主張しているが、実際は違う。ファーウェイは中国当局の特殊任務を担う企業で当局の命令に完全に服従している。このため、当局はファーウェイに特別な支援を与えている」と話した。
外国元首らに接近 関係構築に力
ファーウェイ創業者でCEOの任正非氏は各支社の幹部に対して、所在国の政府と良好な関係を築くよう指示していた。特に、中国当局の外交政策の一環として、ファーウェイの上級幹部は各国元首との関係構築に力を入れるようにと命じた。
ファーウェイは2007年、欧州連合(EU)本部を構えるベルギーに進出した。首都のブリュッセルなど5つの都市に事務所を設置した。
元夫の劉浩生氏が2014~16年までベルギー支社長に在任中、定期的に中国大使館に状況報告を行っていた。劉氏は2015年、ベルギーのフィリップ国王に対して、中国訪問とファーウェイ本社の視察を要請した。ファーウェイの働きかけによって、同年6月フィリップ国王とマティルド王妃が中国を訪問した。「表では、中国とベルギー両政府の交流に見えるが、実際はファーウェイがこの国王の訪中を完全に主導していた」と冉氏が述べた。
フィリップ国王は中国滞在中、広東省深セン市にあるファーウェイ本社を訪ね、任正非氏と会談した。
2016年5月、劉浩生氏はインドネシア支社のトップに就任した。
ファーウェイは2000年、人口が世界4位のインドネシアで支社を立ち上げた。同国の通信企業の大半が外国のサプライヤーに頼っている。国営新華社通信の2017年3月27日の報道によると、インドネシアに進出してからの16年間に、ファーウェイは同国の通信情報省(KOMINFO)などとの業務協力を通じて、同国の通信情報技術の発展に大きく寄与した。
2019年2月に、世界最大の携帯通信関連見本市、モバイル・ワールド・コングレスが閉幕した後、トランプ米政権が同盟国に対して、ファーウェイを各国の次世代通信規格(5G)構築から排除するよう促した。しかし、インドネシア政府はなお、ファーウェイと今後5年間の通信設備供給契約を結んでいる。
「ファーウェイは、インドネシアの通信産業を支配している。同国の通信関連企業の大株主が政府であるため、ファーウェイは各通信企業との契約を通して、インドネシア政府に『利益提供』を行っている。企業間の技術協力と称しながら、実際には陰からインドネシア政府を操ることが目的だ」
冉華氏によると、ファーウェイと中国大使館は密接な連携関係にあるため、旧正月など中国の重要イベントがあれば、ファーウェイの幹部らが必ず中国大使館のパーティーに参加していた。
駐インドネシア中国大使館も、ファーウェイインドネシア支社の事業進展報告を受けている。同大使館が2018年5月26日に同サイトで、肖千大使が同月24日、ファーウェイインドネシア支社を視察したとの記事を掲載した。これによると、肖大使は同支社の劉浩生CEOらの同伴で、社内を視察し、同社の業務状況について報告を受けた。肖大使は「ファーウェイによるインドネシアの経済と社会への貢献を高く評価する」、同社が「両国間の実務協力のためにより大きく貢献できるよう望む」と述べた。
他国政府への接近
中国当局の全面的なバックアップを受けたファーウェイは海外市場へ急速に進出した。ファーウェイは、中国当局と外国政府の関係を仲介するし、各国の政治家を取り込み利益供与をしていた。
「2017年7月、家族でインドネシアでバカンスを過ごしていた時、インドネシア支社の社員らとの集まりがあった。インドネシアの国有企業で通信大手のテレコム(Telkom)との業務を担当する姚さんが、元夫と話し合っていた。2人は、2017年初めファーウェイがテレコムとの事業契約を獲得した経緯や、ファーウェイがテレコムのCEOや、インドネシアのルフット・ビンサル・パンジャイタン海洋担当調整大臣、通信情報省の大臣に利益を提供したことについて話していた」
ルフット・ビンサル・パンジャイタン氏はインドネシアの有力政治家だ。豪中国語メディア「シドニー・トゥデイ」は今年4月の報道で、同氏がインドネシア政府と中国当局の関係を協調する主要責任者だと指摘した。同氏は2004年「Toba Sejahtra」グループ企業を設立した。同社は鉱物資源の採掘、エネルギー、不動産などさまざまなビジネスを手掛けている。
近年、米政府をはじめとする国際社会は、ファーウェイが中国当局の管理下にあると指摘している。今年3月20日、米国でファーウェイの広報業務を担う米PR会社、レースポイント・グローバル(Racepoint Global)社とバーソン・コーン&ウルフ(Burson Cohn & Wolfe、BCW)社はこのほど、外国代理人登録法(FARA)に基づき、米司法省に登録手続きを行った。この2社は、ファーウェイに対して、外国政府からの監督管理、資金支援や補助金などを受けていないことを証明する資料を提出するよう要請したが、ファーウェイ側は返答しなかった。
資金支援
中国当局はファーウェイを強く後押ししている。国営新華社通信2009年9月22日の報道によれば、国家開発銀行とファーウェイはこの日に新たな戦略的協力で合意した。これにより、同銀行のファーウェイへの融資枠が300億ドルに拡大した。2005年、国家開発銀行はファーウェイとの間で、100億ドルの融資契約を結んでいた。
中国の財政部(財務省)と国家外貨管理局が国家開発銀行の株式を保有している。近年、国家開発銀行はファーウェイに対して、低金利で莫大な融資を行った。資金支援を受けたファーウェイは、海外市場で低価格でライバルを打ち負かし、市場シェアを急速に拡大させた。
冉華氏によれば、ファーウェイは、外国事業者に対して中国国家開発銀行の低金利融資を受けられるよう助力している。「この外国事業者が経営難で倒産した場合、国家開発銀行からの融資を返す必要がなくなる可能性もあるから、外国事業者にとって、ファーウェイ製品を利用すれば資金難を解決できるというメリットがある。ある意味では、国家開発銀行はファーウェイのために、他国の通信事業者に賄賂を贈っている。ベルギーでも、同じことが起きた」
嫌がらせ
冉華氏は、ファーウェイが技術と金品で外国政府に介入し、その政策に干渉してきたのを暴いたほか、中国当局による嫌がらせについて話した。
冉氏は2017年10月、劉浩生氏との離婚が成立した後、自身や家族と友人が中国当局からの監視、盗聴、ハッキング、脅迫などを受けた。
「インターネット時代の今、私のプライバシーはすべて、中国当局とファーウェイに掌握されている。自宅マンション、自動車、WiFiネットワーク、移動通信ネットワーク、銀行口座情報は全部ハッカーに監視されている。家の中で何をしているのか、車でどこに行ったのか、電子メールあるいはSNSで何をやり取りしたのか、誰に連絡したのかは全部知られている。たとえば、私は銀行で現金を下ろそうとした時、ハッカーらは事前に銀行側に連絡し、私に現金を渡さないように要求した。今、私は携帯電話で誰かに連絡することすら怖い。私の連絡を受けた人は、必ず中国当局に脅迫される。インターネットを使って何かを処理するのも怖い。ハッカーらには、私が何をしたいのかがすぐ分かるからだ」
このため、冉氏は滞在していたドイツ警察当局に通報し、ドイツ政府に請願書を提出したことがある。しかし、「中国当局の介入で、ドイツ政府からの援助は得られなかった」「中国当局は、中国国内の企業と国外の企業、中国国内に住む人と海外にいる華人、駐ドイツ中国大使館の外交官を全部牛耳っているからだ」
冉華氏は、ファーウェイの実態と中国当局による嫌がらせを暴けば、国際社会からの支援を得られると考え、大紀元の取材に応じた。同氏はすでに米国に移り住んでいる。
転載 大紀元(翻訳編集・張哲)
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