<大紀元独自>「捨てるほどある臓器」日本から中国へ渡航移植手術をあっせんするNPO団体 案内を再開【ニュース】

参考写真であり記事内容と関係なし

コロナ禍による海外への渡航規制で、中国を含む渡航移植手術のあっせんを停止していた日本のあるNPO団体は、最近、渡航移植の案内を再開した。団体によれば、中国では「捨てられるほど」移植のための心臓と肺があるという。中国では、日本や米国より超短期間で移植手術が可能だ。これは、生きたまま確保された相当数の「ドナー」がいるためだとして、国際人権組織は深刻な人道犯罪の可能性を指摘している。

このあっせん団体は、心臓と肺移植の中国渡航移植を2020年10月に案内している。移植は「指定された移植センターの教授の執刀に限り、中国政府より招請状の発行が許可される見通し」としている。

この案内の3カ月前、ある中国人女性の技能実習生(24)が名古屋滞在中に重度の心臓病を患い、心臓移植手術のために中国に帰国し、武漢協和病院で移植手術を受けている。日本および中国のマスメディアは「日中命のバトンをつないだ」として話題にした。中共ウイルス(新型コロナウイルス)の世界的流行により、日本と中国を結ぶ空の便は全面停止していたにもかかわらず、両国当局は名古屋発武漢行きの特別チャーター便を手配した。技能実習生は、転院からわずか13日後に心臓移植手術を受けた。その間、4つの移植心臓が出処したという。人民日報が同年7月、「美談」として特集記事で詳細を伝えている。

この事案を、あっせん団体は2021年2月、日本における移植希望者への案内として紹介している。「藤田医科大から中国の武漢協和病院へ渡航した女性が、到着後13日目に心臓移植を受けられています。(短期間に4つの心臓が出処した)」(原文ママ)

別の文章では、団体は、出所不明な臓器の移植には関与しないと強調し、違法性を否定している。ドナーに関する説明では、「当事国の法令に従い医療機関が手配している。私たちは臓器の出どころに一切関与していない」。

ドナーは誰?

しかし、中国移植業界は、国際機関の第三者による現地調査を拒否しており、透明性が欠如している。中国衛生部や赤十字は、ドナー登録者が人口の約0.1%にすぎず、その上2015年から「死刑囚の臓器利用を停止」しているにもかかわらず、なぜ豊富な移植臓器が提供できるのかについて説明を行なっていない。また、ドナーが誰であるかを一切明らかにしていない。

あっせん団体は、法輪功迫害や新疆ウイグル自治区における人々からの「臓器強制摘出」について、過去の問題であるとし、現在進行形ではないとしている。

中国共産党体制による系統的な臓器強制摘出が今も続いていることは、国際的な人道犯罪を検察、人権弁護士、医師などの第三者からなる判事団が検証し、裁量する「民衆法廷」により明らかになっている。議長は、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷でセルビアのスロボダン・ミロシェビッチ初代大統領を起訴したジェフリー・ナイス卿。

英ロンドンで行われた民衆法廷の最終裁定では2019年6月、1年に渡り約50人の証言者や専門家の資料から、中国の臓器強制摘出は「合理的な疑いを超えて、中国でかなりの期間、極めて多くの良⼼の囚⼈からの強制臓器収奪が行われていることを確信する」との結論を下した。また、その最も多くの犠牲者は法輪功学習者で、近年は、大量収容が指摘されるウイグル族も含まれるとした。

中国共産党当局により大量拘束されているウイグル族は3グループで分けられ、そのひとつは「臓器摘出用」に分類されているとの情報もある。2020年1月21日付のメディア記事は、党高官と間接的な接触を持つ、光学技術者のエルキン・シディック教授の話を伝えた。

仲介者を通しての党高官からの機密情報だという。それによると、「中国共産党は100万人以上のウイグル人を各省に輸送・分散させ、彼らを3グループに分けている。臓器摘出用、生体実験用、ほかは分散させて殺害する(distributed killing)など、他の目的のためだ」。臓器摘出や生体実験の目的は、「共産党は広大な強制収容所を維持するための資金を使い果たした」ためであり、人身削減や資金集めを行なっているとみられる。

あまっていて、捨てられる

このあっせん団体によれば、中国では現地市民にとって心臓や肺の移植は高額で、需要は少ない。このため、なくなったドナーの身体から腎臓や肝臓は摘出されても、心臓や肺の多くは廃棄されているという。

腎臓や肝臓の移植の場合、臓器提供者は必ずしも死亡しないが、心臓や肺はドナーが確実に死亡(脳死を含む)した場合に限る。心臓や肺の移植が「超短期間で移植可能」ということは、いつでもオーダーの度に殺害される人々が、何らかの形で「確保」されているということだ。あらかじめ血液型と組織型の検査を受けた人々は、これらが合致する移植希望の日本人患者が注文する度に、殺されている可能性が高い。

日本は、渡航移植を極力抑制し自国内の移植への努力を誓う国際宣言「イスタンブール宣言」(2008年)に同意している。

世界各地への渡航移植のあっせんを行い、「その規模は日本一」と豪語するあっせん団体の理事は、大紀元の取材に対して、中国では「廃棄される臓器がある。日本では移植を待つ人々がいる」として、命を救う機会の提供ができることはイスタンブール宣言の主旨に反しないとの考えを示し、渡航移植の正当性を語った。また、宣言には法的効力がないことも強調した。

また、コロナ禍で海外渡航が規制されているが、あっせん団体に問い合わせている渡航移植希望者は、二桁に上ると述べた。理事は、移植希望者に対して、渡航先の状況や病院について紹介しながら「最終的には顧客が渡航先を選択している。中国を希望する場合もある」と話した。

あっせん団体は、中国渡航移植への手配を中心に活動しているとみられる。公開されている団体の事業報告書によれば、「海外医療事情調査」として過去4年間の全ての海外渡航についての報告がある。渡航先の96%は中国で、2016年は12回、2017年は8回、2018年は7回、2019年は6回訪問している。

検死の開胸

あっせん団体は、法輪功学習者への迫害やウイグル族からの臓器強制摘出を否定している。団体は、中国当局が関与する組織的な臓器強制摘出、いわゆる「臓器狩り」ではなく、人権団体らが掲げる開胸痕のある被害者の遺体は、検死の開胸にすぎないと主張している。

迫害および臓器収奪の停止を、日本を含む世界各地で伝え続ける法輪功学習者は、バナーなどで、開胸痕の遺体写真を使用している。中国本土の法輪功迫害情報を伝えるウェブサイト・明慧網によれば、一人は山東省威海文登市の劉玉風さん、もう一人は、黒竜江省の王斌さんだ。2人は外的損傷で、死亡したとされている。

法輪功学習者に対する中国共産党の迫害は非人間的だ。警察病院では「生きたままの死体解剖、霊安室の冷凍庫で保管、ボイラー室で焼却処分」など、惨たらしく弾圧され殺害されるケースは明慧網で多数報告されている。この中国共産党の振る舞いから、中国の「検死の開胸」が必ずしも臓器取引を否定するものではないといえる。

台湾桃園市で法輪功学習者の迫害と臓器収奪について訴える人々(明慧ネット)

中国の気功修練法・法輪功は21年前の1999年、当時の中国共産党書記・江沢民が弾圧を開始した。静かな個人の修練にもかかわらず、中国共産党は「思想拡大は体制維持の脅威」と断じて警察、司法、メディアを駆使した全土規模の弾圧を開始した。時期を重ねて、中国各地では600以上の移植病院が建設され、免疫抑制剤の臨床研究が急増した。

「収容所内の人々は、国内外の臓器移植希望者のために、本人の承諾のないドナーとなり、臓器を強制摘出され、殺害されている」この戦慄の医療殺人について、2006年、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏とカナダ政府元アジア太平洋地域担当大臣デービッド・キルガー氏による独立調査報告書が公にした。調査団の後続の報告によれば、中国の年間移植手術数は6万~10万件で、犠牲者数はそれよりも多いと推計している。

この報告が明らかになった翌2007年5月、中国政府は「臓器移植法」を施行した。同法は臓器売買を禁止している。同年7月の通知文書「外国人への臓器移植の適用についての問題」では、旅行で訪中する外国人に移植手術を行うことを禁止している。しかし、地方衛生部が許可した外国人患者を受け入れている。同じころ、官製メディア・中国網は、衛生部副部長(厚生副大臣)で「中国移植界の権威」と呼ばれる黄潔夫氏の話として「全国に移植病院が600カ所、移植医は1700人以上いる」と報じている。

臓器移植病院が乱立する前、中国では移植法が整備されておらず、ドナー登録制度、臓器分配システムがなかった。にもかかわらず、年間数万件の移植手術が行われていた。

中国、渡航移植は「日本の問題」と強調

中国のオンライン百科事典で「ウィキペディア」に相当する「百度百科」に、移植ツーリズム(器官移植旅游)の項目がある。ここでは、日本は臓器の供給不足で、中国などに「移植渡航の違法なあっせんを行っている」と強調されている。

この項目には、2009年、広州の移植病院が日本のあっせん業者を通じて17人の日本人移植希望者を受け入れていた、との共同通信の記事を引用している。この記事は、人民網などの官製メディアにも転載され、中国全土で波紋を呼んだ。ネットユーザたちは、規則違反だとして、日本人の臓器移植手術を請け負った医師や病院に対し、厳重な処罰を科すべきだと主張した。

さらに、ある著名な中国ネット世論のインフルエンサーは、「同胞は臓器提供を待ち、病床で苦しみもがき死んでいるのに、(移植病院は)暴利のために貴重な臓器を日本人に提供した」「国格を損なう恥ずべき行為は、抗戦期の漢奸(裏切り者)と、どう違うのか」と共同通信の報道を受けて厳しい反応を示した。当時、中国衛生部は関係部門の調査を行い、規則違反の病院は法令に基づき処罰すると発表した。

このように、中国国内では、外国人が中国で臓器移植を行うことに良い印象を抱いておらず、取り締まりを示唆している。状況に応じて、中国共産党は「法執行の完全性」を世論向けにアピールするために、渡航移植の関係者を拘束する可能性は否定できない。

実際、外国人の渡航移植を多く受け入れ、中国の移植業界の発展・拡大に「貢献」した、天津第一病院の東方移植センター長・沈中陽医師は、2020年1月に中国共産党全国委員会の委員資格を剥奪され、失脚した。沈氏は、日本で移植技術を学んでいる。

さらに、前出の2007年7月に発表された「外国人への臓器移植禁止」通知から3カ月後、日本人のブローカー長瀬博之氏が、上海市で逮捕された。中国渡航移植には、渡航者の身の安全をリスクに晒すいくつもの要素が存在している。

前出の民衆法廷の最終裁定で、議長のナイス卿は、臓器強制摘出を行う中国を「犯罪国家(Criminal State)」と形容し、中国との関係の見直しを促した。「医師、医療機関、産業、ビジネス―特に航空会社、旅行会社、金融機関、法律事務所、製薬会社、保険会社などは、自分たちが犯罪国家と関わっていることを認識すべきである」

(佐渡道世)

転載 大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/69472.html


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