インフラ事業等で現地国にて親しまれる日本企業

論語に「仁者は先ず難んで後に獲、仁と謂うべし」という項があります。

ビジネスの話に置き換えると、事業では初めのうちは難しいことや苦労することがあり、果実は後でやってくるものだ、といえるでしょう。
息の長いビジネスの典型と言われる「インフラ輸出」では、この論語の言葉がマッチします。事業を行う場所が海外で、それも殆どの場合発展途上国。言葉の問題以外に、食べ物、生活習慣、気候、が違うAWAY の世界であり、気を長くして自身を現地化していく必要があるでしょう。

そうした場で、21世紀に入ってから増えてきた中国企業の人たちは、日本企業の人たちに比べて現地に溶け込んでいないことが多く見受けられます。
現地の人たちによると、中国の企業やそこから派遣されてくる人々には次のような特徴があるといいます。

①ほとんどの企業は、国営企業か同族企業(日本のような上場企業は少ない)
②街中でお金を使う、という形での経済貢献をしない。
③現地人の雇用にあまり貢献せず、本土から出稼ぎ人を多数連れてくる。
④雇用した人に対し、中国人が格上であるかのような高圧的な態度を取る。
⑤レストランや商店などでも、現地の人に対して横柄な態度をとったり怒鳴りつけたりする。
⑥レストランや街中で、我が物顔で大声で騒ぐ。

日本のビジネスマンと反対のような気もします。また、①と⑥以外は、殆どが「論語」の「仁」や「恕」の、「立場の弱い人を慈しむ」を心掛けていれば有り得ない話です。
中国は「儒教の国」とは言われますが、儒教という分野の一つである「論語」をよく読んで実践しているかは別問題と言われることもあります。

また、現在の中国の建国前後に、崇拝対象の問題で孔子を貶めた影響も強く残っています。
その点、むしろ日本の方が「道徳」として無意識に「論語」のエッセンスを身に付けているとも考えられます。例えば、災害時での規律正しい言動も、論語での「仁義礼智信」に結びつくものです。
知らず知らずのうちに身についていた「論語」のエッセンス。そしてそれを今からでも読んでみれば、きっとビジネスの場面の言動に、気品を添えてくれるでしょう。

(大紀元日本ウェブ編集部)

(轉載大紀元)

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