中国企業の大株主が次々と持ち株を売却 誰が相場を操っているのか【動画】

【脱党支援センター2020年7月27日】

7月から中国の株式市場が急上昇し、多くの個人投資家は上げ相場の再来だと思い込んでいます。しかし、中国の各上場企業の主な株主は続々と株を売却しています。専門家は、これは中共政府が背後で糸を引いており、庶民はやはりニラのように刈り取りされるだけだと考えています。

7月から中国と香港の株式市場が15%以上急上昇し、上海と深圳の成約額が1兆元(約15兆3100億円)を突破しました。個人投資家が上げ相場の再来と思い込んだこの時、各上場企業の主な株主は続々と持ち株を売却し、莫大な額を現金化しました。

アリババが発表した最新の財務報告によると、7月2日までにジャック・マーが所有する株式の割合は昨年11月の6%から4.8%まで下がっており、控えめに見積もってもジャック・マーは430億元(約6581億5000万円)を現金化しています。

アリババのもう一人の創始者、蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)も同時期に株式を売却しました。財務報告のデータによると、蔡崇信は昨年11月から7月2日までに保有株式を6400万株減らし、120億元(約1836億7000万円)を現金化したとみられています。

しかし二人が株式を売却したのと対照的に、アリババの株価は香港株式市場に上場してから45%も値上がりしました。

米サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授
「ジャック・マーのような民間企業のトップが株式を現金化した。バブルとは別の問題で、恐らく彼は希望がないことを知っているのだろう。あるいは株式市場になんの希望も抱いていないので、現金化して逃げ出そうとしているのだろう。金持ちが少し株を売って使うのは普通のことだ。だが大量に売却したのであれば、これは少なくとも本人がこの会社の株式の将来の成長を信じていないという意味だ」

これより前にも、テンセントCEOの馬化騰(ポニー・マー)も、複数回にわたりテンセント株を売却して約70億香港ドル(約967億7200万円)に現金化しています。テンセント総裁の劉熾平(マーティン・ラウ)は今年に入り、株式を売却して1億2000万香港ドル(約16億5900万円)を手にしました。

Eコマースの拼多多(ピンドウドウ)創始者の黄崢(コーリン・ファン、Colin Huang)は、143億ドル(1兆5323億8800万円)相当の株式を慈善事業と経営陣への奨励金にあてています。

米サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授
「中国株式のバブルは巨大だが、これは中国株式市場の中の問題の一つに過ぎない。もっと重要なことは、背後で糸を引いているのは誰なのかという問題、背後で取引が行われているという問題だ。あの企業のCEOの最後の本当の株主は誰なのか。誰が株式を操作しているのか。誰が企業運営を操作しているのか。誰がこっそりこの種の情報を証券ディーラーや投資家たちに流しているのか」

中国の金融情報サービスベンダーであるWind(ウィンド)が発表したデータによると、7月10日までにA株上場企業の大株主が上場企業1525社の225億9800万株もの株式を売却したことが明らかになっています。これにより前年同期比で105%増加となる、約3116億9900万元(約4兆7700億円)が現金化されました。

さらに、中共政府が管理する「国家チーム」も株式を減らしています。7月9日、中国人民保険集団(PICC)は「全国社会保障基金が売却した株式総額は67億5000万元(約1032億9600万円)に達した」と発表しました。

米サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授
「これらのCEOや株主、共産党上層部の利益集団の利益は背後で操作されている。あるいは上層部がコントロールしている。彼らがなぜ、中国の株式市場は寄付を受け付けているようなものだと、つまり庶民の投資家から刈り取り放題できる仕組みになっていると言っているのか。庶民は実のところ背後で操作されていることを知らず、いつ何の株を売買したらいいのかも知らないのだ。基本的に共産党は好きな時に庶民に損失を負わせることができるのだ。まさにニラの刈り取り放題だ」

市場分析によると、大株主が株式の現金化を行う理由に、香港株式とA株式市場が巨大なバブルと化しているため、大株主が続々と手を引いているからだと考えられます。そして最終的にこれを引き継ぐのは、やはり普通の個人投資家です。

米UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメントのエコノミスト、俞偉雄氏
「中国経済は極めて危険な状態にあると思われる。新型コロナウイルス肺炎の流行前に、すでに長年にわたり蓄積された過度の投資や、不動産バブル(という問題)が存在していた。新型コロナウイルス肺炎が発生した今、世界のサプライチェーンが崩壊の危機に立たされ、世界各国が中国を以前のようには信用しなくなった。これは中国の構造にとって非常に大きなダメージだ。さらに今、中国国内には洪水災害などの問題が山積してる。そのため、何らかのよい発展方向を見いだすことはできない」

中国の金融専門家、賀江兵(が・こうへい)氏はラジオ・フリー・アジアに対し、中共が一貫して行ってきたのは、最初に株式市場を成長させる政策を推進し、その後に背後から資金を操作して銀行株を刺激して、銀行株に保険や証券などを牽引させることだと指摘しています。そして十分な利益が得られたら大株主と国家チームは大挙して撤退し、残された投資家だけが搾取されることになります。

賀江兵氏は、中国経済は現在疲弊しており、疫病の影響で輸出や米中貿易戦争、各国の制裁などの圧力を受けて、真の意味での上げ相場は訪れないだろうと考えています。

転載新唐人

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