中共がアフリカ諸国の一帯一路債務を免除 狙いは「名誉挽回」か【禁聞】

【脱党支援センター 2020年7月7日】

中共の一帯一路計画によってアフリカ諸国が巨額の債務を負っていますが、最近これらの国から続々と、債務の減免を求める声が上がり始めています。習近平国家主席は6月17日、今年末が返済期限となっている関連のアフリカ諸国の無利子債務を免除すると発表しましたが、これに対し中国の民衆は不満をあらわにしています。専門家は、中共が債務を免除した理由について、「中共自身の資金も不足し、一帯一路プロジェクトは基本的に破綻している。債務の回収はもともと不可能なので、債務の免除という体裁を取ることで中国は名誉挽回しようとしている」と指摘しています。

習近平国家主席は6月17日、「中国・アフリカ連携防疫特別サミット」テレビ会議で、中共は「中国・アフリカ協力フォーラム」の枠組みにおいて、今年末が支払期限となっているアフリカ諸国の無利子債務を免除すると発表しました。

中共は一帯一路計画によって、アフリカの加盟国のさまざまな経済分野に全面的に参入しました。しかし建設プロジェクトの増加に伴ってこれらの国の債務も膨れ上がり、更に疫病の流行によって債務の返済がさらに困難になり、中共に対し債務の減免を求める声が挙がりました。

米サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授
「実際のところ、これらの国は返済などできない。中共の計画した一帯一路は、現地政府に過剰な債務負担を負わせたため、これらの債務はすべて不良債権だ。返ってはこない。(中共が)これら債務を免除したのは、名誉挽回するためだろう」

一方、中国人は中共の海外での大盤振る舞いや今回のアフリカ諸国の債務免除に対し、大きな怒りと無力感を感じています。

湖南省の何さん
「庶民が納めた税金だから惜しげもなく使う!自分の立場や権力を守るため、彼らはやりたい放題だ。我々に何ができるというのか」

河北省の張さん
「こんなことはもう見慣れてしまった。勝手にやらせろ!どうせもう終わりだ」

四川省の譚さん
「我々に発言権はない。何か言えると思うか?アフリカの貧困を救う一方で、中国人のことはほったらかしだ。医療費免除も年金免除も教育費免除もない。こんな国策や政策を制定した者に対し、我々が言えるのは『ノー』だけだ」

四川省の譚(たん)さんは、「中共は庶民が豊かになるのを望んでいない。彼らは人民をニラみたいなものだと考えている。少し伸びたら伸びただけ収穫する。だから労働者はますます貧しくなって、人生を巻き返すという望みは永遠に失われる」と語っています。

四川省の譚さん
「なぜなら庶民は裕福になると要求を出してくるからだ。裕福な庶民は自分に権利があることを理解して、自分の権利に対する要求を出す。もしくは庶民の生存問題が解決したら、今度は自分の尊厳や権利についてさまざまな要求を出す。それが不愉快なのだろう」

ボイス・オブ・アメリカは2000年から2017年の間に中共はアフリカ諸国に約1460億ドルの借款を提供したと報じました。ガーナのケン・オフォリ・アッタ財務大臣は、この巨額の債務について、アフリカの今年の返済額は約80億ドルだと述べています。

アフリカ北東部に位置するジプチの負債はすでにGDPの7割を超えており、エチオピアの負債はその年間生産額の2割を占めています。

さらに中共は、米中貿易戦争と中共ウイルスの影響を受けて経済が深刻な打撃を被り、海外への投資力が削がれて従来のように事業を継続・拡大することができなくなりました。

米サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授
「大きな理由は、中共が米中貿易戦争のために輸出が減り、外貨準備高が減ったうえに外貨獲得力が低下したことだ。本来なら一帯一路に引き続き投資されるはずだったのが追い付かなくなった。そのため、これまでの投資が基本的に水の泡となった。よって、この『債務停止』の真相は、中国自身の資金も尽きたため、このプロジェクトが事実上破綻したこというものだ」

一帯一路参加国の約三分の一が債務危機に直面しています。2018年に米シンクタンクの世界開発センター(CGD)はその研究報告の中で、一帯一路に参加した68か国のうち23か国が「債務問題」のリスクに直面しており、一部の国は国家債務危機に陥っていると指摘してます。

中共の債務を負い返済ができなくなったアフリカ諸国に対し、中共は自身の利益を考慮しました。

ブルームバーグは、中共が商業的利益以外にアフリカから得ている最大の利益が政治的資本であるため、中共はアフリカを手放さないはずだと指摘しています。

ブルームバーグは、アフリカは国連の議席の四分の一を占めており、国連における中共の影響力の拡大に重要な役割を果たしている。特に中共と欧米諸国の関係が緊張している今、中共はアフリカ諸国を手放さないだろうと分析しています。

さらにニューヨークタイムズは、中共が債務問題で無理に返済を迫れば、債務国が団結したり、中共からの融資の規模と返済条件の受け入れを対外的に発表したりする可能性があるとも指摘しています。同時に、「この件は中共に対する世界の評判にも関わっている。なぜなら中共は今、今回の感染拡大で損なわれたイメージを挽回しようと考えているからだ」とも分析しています。

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