スウェーデンは中国共産党を孤立させる

【脱党支援センター 麻倉静香訳 乃木晃編集2020年6月18日】

 15年前に欧州初の孔子学院を設立したスウェーデンは、欧州で初めて領土内の孔子学院を「ゼロアウト」した。 同時に100以上のスウェーデンの都市が中国との「友好的関係」を解消した。

 孔子学院は、中国ではキャンパスが無く公開されていないため、中国人の中では漠然とした象徴が有るにしか過ぎないのである。しかし現在、世界にはすでに500箇所以上の孔子学院が存在している。にも関わらず中国の人々にはその事はあまり知られていない。その知られざる「孔子学院」なるものが世界各地に設立されている。その理由は一体何故なのだろう。

 この「孔子学院」の正体とは一体何なのか?

 中国共産党中央委員会常務委員会の李長春・元委員は、「孔子学院は、中国の海外プロパガンダ発出の重要な機関である」と公言している。 この孔子学院は、正に中華人民共和国教育部国際中国語協会(略称漢辦)事務局下にあります。 漢辦は、中国共産党の外務省と宣伝部のメンバーによって構成されている。そして実際、孔子学院の多くは“610”と同様、多分野のスーパー機関である。 “610”は特に法輪功迫害を推進する任務があり、孔子学院は中国共産党のイデオロギーのプロパガンダを海外(特に教育制度)で推進する任務がある。 孔子学院の対外契約は、中国以外の国では中国共産主義法を遵守することを明確に求められており、孔子学院の情報を広報公開しつつ、実は中国共産主義イデオロギーの輸出の場となっているのである。

 なぜ孔子学院は秘密主義なのか?

  文化のベールに覆われ、孔子を装う孔子学院の目的は、必ずしも中国の伝統文化を伝えることだけではない。

第一は人権差別であり、漢辦(孔子学院本部とも呼ばれる)は、孔子学院の駐在員全員の雇用契約書に「法輪功には入会しない」という禁則差別的な条項を入れている。

第二は学術的な検閲であり、漢辦は孔子学院を運営する外国の大学(または小中学校などの教育機関やその組織)に対し、孔子学院でチベット、台湾、天安門事件、法輪功など世界的にタブーとされる話題を論じないように要求している。

 孔子学院は、中国共産党の政治的立場を常時推進し、孔子の名の下に普遍的な価値観を混同しているだけでなく、中国共産党のスパイ機関としての役割も果たしている。

 孔子学院の呪い!

 中国共産党はこの40年間、経済的利益を海外で餌としグローバリゼーション、孔子学院、「一帯一路」等の計画を隠れ蓑にし、様々なルートで各国を腐敗させつつ侵入し共産主義イデオロギーを広めてきた。 孔子学院は中国共産党の一帯一路の「牽引車」であり、中国共産党から多額の投資を受けようとする場合、どこにでも孔子学院を開設するだけで良いのである。 中国共産党は、「第二の経済大国」「14億人の消費市場」というレトリックで、孔子学院の潜入と普及を前提に、利益を餌にし「共産主義イデオロギー」を密かに静かに世界中に展開してきた。そして現在迄に世界162ヵ国とその地域541箇所に孔子学院が設立されている。中でもヨーロッパの孔子学院の数は187箇所と世界で最も多く、次いでアメリカが112箇所となっている。

 それでは、ヨーロッパで孔子学院の数が最も多い国は何処でしょうか?

それは英国で29箇所、ドイツで20箇所、フランスで18箇所、イタリアで12箇所、スペインで8箇所、人口僅か1000万人のベルギーでは 6箇所も開設しています。

 孔子学院の開設数のそれと、中国共産党がこれ等の国々への投資額を見ると、一帯一路の侵攻意志が明らかに一致している事が分かるのです。

 イタリアは、欧米の同盟国の反対にもかかわらず、中国共産党の「一帯一路」協定に欧州で初めて署名した国となった。 スペインは、6月4日の天安門大虐殺の後、EU加盟国として初めて北京を訪問した。スペインは中国共産党の江沢民前指導者を人道に対する罪で有罪判決を下した。が後に中国共産党に屈服し江氏の逮捕状を取り下げた。

 昨年、中国共産党の圧力で神韻の講演は中止されたが、スペイン王室や高官は一帯一路を称賛した。一方、ドイツとフランスも近年共に非常に親共産主義的な政府となっている。海外でのHuawei創業者は、その素性や人民解放軍との関係が問われている。がしかし、ドイツとフランスは両国ともHuaweiの5Gネットワークの構築に参加する承認を決定した。

 2019年3月26日、ドイツの首相はパリでの記者会見で、一帯一路を、「非常に重要な計画だ」「我々ヨーロッパ人も参加したい」と称賛した。 2017年3月3日のル・パリジャンのインタビューでフランス大統領は、自らを「毛沢東主義者(マオイスト)」と呼び、ベルギー王国の王室から要人までが「一帯一路」を提唱し、連邦政府の「一帯一路」の枠組協定への加盟が議題となっている。この様に欧米では孔子学院を暗黙の内に黙認している。

 米上院委員会の報告書では、過去15年、中国共産党が米国に100以上の孔子学院を開設した際に (米国)教育省も沈黙を守っている。中国共産党は、世界最大の都市ニューヨークに共産党が台頭する場を提供するため多くの各種策略を講じてきた。ウォール街のエリートと大企業、そしてそれ等全てに関係する中国共産党は、中国経済に利益をもたらすこととして共闘している。

 中国共産党はワシントン州とシアトルを重要視しており、4世代の党首が訪米する際にはシアトルが好まれており、必ず訪れるべき訪問先となっている。 これ等中国共産党の「孔子学院」は、身近な人に災いをもたらす呪いのようなものである。 また、中共ウイルス(武漢肺炎)は、ヨーロッパ、スペイン、イタリア、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギーなどで最も深刻で、これらの国々は基本的に上位にランクインしている。 スウェーデンの国会議員ハンス・ローテンベルグ氏は、「スウェーデンがこのような反応をする最初の国(ヨーロッパ)であることは非常に良いことです」と語った。

 孔子学院が最初にスウェーデンに来たとき、殆んど注目されなかった。が、しかしそれ等の普及啓蒙が進むにつれ、自由で独立した教育と研究を目指す私たちの価値観には必ずしも沿っていない、として暴かれたため、それ以来、手法を変えて私たちの注意を引くような姿勢に変化させている。

 彼らは自分たちの価値観を他人に押し付けているのであり、これは自由で開かれた国が容認できるものではないのだ。 特に自由で開かれた教育システムが 許容するものではないとしてゴーラン・リンドブラド元欧州評議会副会長は、「孔子学院はイタリアのムッソリーニのファシスト政権下の悪しき機構に似ている」として 当時、彼らはあちこちに言語研究所を設立しており、実質的にスパイ活動の中心地にもなっていた。 孔子学院は実際は(他国の)思想に策略的に影響を与える機関である。 彼らは生徒や学生だけでなく、様々な大学組織そのものにも影響を与えようとしている。

中国語を教えることを通し中国の価値観を伝えると同時に彼らは中共の政治目的も教えており、明らかに洗脳システムであるので、極めて問題の有る策略教育です。 (彼らは)教育を行うと同時に彼らがいる国・地域の様々な内部システム情報をも収集している。

 ラース・ノルドストレム、ヨーテボリ・ビジネススクール教授は、「中国大使は多くの問題に対して非常に強気に対応するので、スウェーデンでの信頼性は逆に非常に弱い」と語った。

 例えば、中国共産党は、作家(本を出版)がスウェーデン国民であることを無視し、中国共産党の反体制派として強制逮捕した問題とか、 また彼等はこの度の大疫病が中国から急速に広がっていると言う事象には全く説明していない。

 ハンス・ローテンベルグ議員(スウェーデン)は、「中国大使は日中良好関係に関する努力を完全に怠っており、むしろ脅しや非難を通じたコミュニケーションを維持している。これ等を改善するのは大変に難しいで事だ」と語った。ここ数年、中国大使の悪質な暴言がエスカレートしていることを誰もが目にしている。このことは非常に残念なことでありスウェーデンと中国の関係悪化にもつながっている。

 『悪魔が世界を支配している』の中で,

次のように書いている。

「多くの政府、企業、ビジネスマンは、中国共産党のいわゆる『美味しい提案』から利益を得ているように見え、一時的には利益を得ているように見えるのかも知れない。が、それ等、中共の陽動戦略の『美味しい物』からの犠牲は、それ等から得られる実質利益を遥かに超えている現実がある。

 つまり、中共が提供する表面的な利益は実は毒であり、目先の利益を簡単に望みさえしなければ、我々は明るい未来を手に入れることができる。中国共産党は通常の政党や政権ではなく、そしてそれは中国人民を代表するものでもなく、それ等は全て地上の共産主義の悪霊を代表するものである。

 中国共産党と関わることは悪魔と踊ることであり、中国共産党と友好的になることは悪魔に服従し悪を助け全人類を絶望と滅亡の淵に追いやることなのです。 一方、中国共産党への反撃は国益のためだけでなく、全人類の明るい未来のための発展への戦いでもある。孔子学院(学校)を閉鎖することは中国共産党から離れることであり、中国共産党から遠ざかることは、ウイルスからも遠ざかることでもあり、中国共産党を拒否することは自分自身を救うことである。

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