香港でナイフ騒動 白シャツの男、大紀元カメラクルーを襲う

香港民主デモがあった12日、ナイフの切りつけ事件が発生した。大紀元カメラクルーに対する襲撃を制止しようとした青年がケガを負った(スクリーンショット)

【脱党支援センター 2020年6月16日】

香港で民主抗議運動が行われた6月12日夜、九龍観塘区で取材していた大紀元香港の女性カメラクルーを含む複数の市民が、小型ナイフを持つ白いシャツの男に襲撃された。男を制止しようとした男性2人が負傷した。男は間もなく逮捕された。

午後9時頃、大紀元香港の非常勤カメラクルーのジェリー(安全上のため仮名)は、抗議活動についての写真やスローガンが掲げられた観塘地区でライブ中継を行っていた。近くには警察が巡回していた。

そのとき、約十数人の市民グループが激しい口論になった。騒動の中にいた白いシャツを着た男が、衝突の最中に地面に倒れ、立ち上がると、突然果物ナイフを取り出し、人々の顔に向け始めた。ジェリーはその様子を撮影した。

男はジェリーを見つけると、カメラを奪おうとしたり、切りつけようとした。近くにいた男性らが男を制止した。近くを巡回していた警察がすぐに加害者の男を取り押さえ、拘束した。

香港警察によれば、白いシャツの男は親中派政党・民主建港協進連盟の元幹部である鄺星宇(27)だという。2錠の禁止薬物を所持しており、傷害容疑と第一級薬物所持の容疑で逮捕された。

男の持っていたナイフを素手で止めた青年(21)は、手にケガを負った。この青年は救急隊員の手当てを受けた後、病院に搬送された。ほかにも、白シャツの男を制止しようとした40代の男性が負傷した。

香港島中心部にある政府本部前で、容疑者本土引き渡しが可能となる条例の改正案に反対する大型デモから、6月12日で丸1年が経った。当時、警察と抗議者が激しく対立し、その後、同条例は破棄された。警察は抗議者を解散させるために、催涙ガスおよびゴム製の弾丸を発射し、香港市民の怒りを招いた。以来、香港市民は民主と自由を求めるデモを継続している。1周年を迎えたこの日も、香港各地でデモが行われた。

ジェリーは擦り傷を負った以外、ほとんどケガはなかった。騒動を制止しようとした青年らに謝意を示した。「彼になぜ素手でナイフを握るような無謀なことをしたのかと聞いた。青年は、メディアを守ったことについて『後悔はしていない』と言った」という。

ジェリーは警察署に行って供述書を提出した。また、現場で助けてくれた香港市民に敬意を表し、今後も香港市民にタイムリーで詳細な報道を提供すると述べた。「真実に忠実に。私たちは決してあきらめない」とSNSに投稿した。

転載 大紀元 (翻訳編集・佐渡道世)

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