【動画ニュース】香港警察半年間で催涙弾16000発発射 専門家「軍事行動レベル」

【脱党支援センター2019年12月22日】

6月9日に香港で「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモが発生してから、香港警察催涙弾16000発、ゴム弾10000発、ビーンバッグ弾2000発、スポンジ弾1900発を使用したと発表しました。さらには実弾も19発発射しており、負傷者も出ています。また、半年間で逮捕した市民は6022人に上り、うち男性が4474人、女性が1548人で、最年少は11歳、最年長は84歳とのことです。

香港警察の発表によると、6月9日から12月9日までの6か月で、デモ鎮圧のために16000発の催涙弾を使用しています。1日あたり約90発発射した計算になります。

「公民権オブザーバー」のメンバー、王浩賢(おう・こうけん)さんは、この規模は軍事行動に相当すると指摘します。催涙弾は化学兵器の一種で、無防備の市民が被害に遭う可能性があるため、軍事行動での使用は禁止されています。

香港「公民権オブザーバー」メンバー、王浩賢さん
「双方の交戦の際に、軍隊は防具を着用して自らを守るが、市民はそれができない。市民は化学兵器から防御する装備を持っていない。しかし我々が目にしているように、警察は住宅地で催涙弾を発射し、部屋の中に撃ち込んでいるが、これは軽率だし、間違っている」

いっぽう催涙弾のメーカーは、催涙弾は室内で使用してはならないと強調しています。催涙弾は大量の新鮮な空気がある場所で使用してこそ、「非致死性化学兵器」と言えるからです。

香港「公民権オブザーバー」メンバー、王浩賢さん
「香港のような人口密度の高い環境で、警察は大量の催涙弾を使用しているが、これは人権侵害である」

香港中文大学生命科学学院の陳竟明(ちん・きょうめい)教授は、警察の催涙弾の使用は不適切であり、使用量も多すぎると指摘したうえ、中国製の催涙弾に変更してからは成分すら公表しないため、市民を不安に陥れていると指摘します。

香港中文大学生命科学学院の陳竟明教授
「催涙弾の不適切な使用、例えば人の頭部に発射、近距離発射、室内で発射するなど。実際沙田の民家に催涙弾が撃ち込まれたが、この家の住人は怖くていまだに自宅に帰れないでいる。これらは不適切な使用で、化学兵器であると言える」

香港大学化学学部のK. Kwong博士は、デモに参加した民主派の市民だけでなく、全ての香港人が催涙ガスがもたらす汚染に晒されていると示します。

香港大学化学学部のK. Kwong博士
「成分は必ず公開しないといけない。市民は多くの催涙弾に晒されている。政府が成分を公開したら、市民は多少は安心できる。人心が安定してこそ、社会が繁栄する」

医学報告によると、催涙弾に晒されると、腹痛や下痢、喀血(かっけつ)、尿の変色などの症状が現れます。台湾大学化学学部の陳竹亭(ちん・ちくてい)教授は、催涙弾の使用で有毒なダイオキシン類が発生するため、長期にわたって人体に蓄積されると次世代に深刻な影響を与えると指摘しています。

台湾大学化学学部暨研究所名誉教授 陳竹亭氏
「催涙弾から多くのダイオキシン類が発生する。化学を研究する立場から言うと、ダイオキシンは有機の集団で、多くの塩素原子を持っていて、毒性が非常に強い。ダイオキシンは世紀の毒であると言われ、発がん性が確認されている。この種の物質が人体に入ると、代謝されず蓄積されていく。だからこれほど大量の催涙弾を使用されると、香港市民は今後も影響を受ける。これが最大の問題だ」

デモに参加した市民や、最前線で取材を続けている記者たちが催涙弾を浴びているだけでなく、一般市民にも健康被害が出ています。香港メディア「スタンダードニュース」の記者が医師から難病の皮膚疾患「クロルアクネ」と診断されたほか、催涙弾が発射された場所を数日後に通っただけの子供たちにもひどい発疹症状が出ています。

転載 新唐人

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