【党文化の解体】第2章(16)2「進化論の注入は、無神論と闘争哲学の普及のため」

「安定が一切を圧倒する」「弱肉強食、優れた者が勝ち、劣った者が淘汰される」「中共政権樹立後、8千万人以上が非業の死を遂げた」
(イラスト=大紀元)

   2001年、アメリカ市民1000人を対象にして、人類の起源と発展に関して、ギャロップ社がアンケート調査を実施した。調査の結果、45%の人たちが「神様が一万年以上前に今日の人類を創った」と回答し、その37%は、「人類は比較的原始的な形態から、百万年以上を経過して進化、これを神様が主導した」とし、12%は、「人類は比較的原始的な形態から、百万年以上かかって進化し、これには神様が関与しなかった」とし、残りの6%は無定見の傾向を示した。またアメリカのピュー・リサーチセンターが、2005年7月に実施した調査では、アメリカ人の63%が、「学校では進化論といっしょに宗教の創造論も教えなければならない」と回答し、38%は大胆にも「学校では、創造論だけ教え進化論は教えてはいけない」と主張した。

 中国大陸から来た多くの者たちは、上述の調査結果に対して驚きを禁じえないだろう。

 実は信仰が自由な西側国家には、進化論を信じない人々がとても多く、中共の党文化によって考え方が固定されているのとは違い、これによってこれらの国々が落後するとか愚昧になるものではない。実はこれらの国々の文明の発展は、開放的で寛容的な自由思想の雰囲気と密接な関係がある。進化論は西洋から来たが、進化論を信じる人の割合が一番高い所は、中国と東欧を含めた旧ソ連圏の人々だ。これらの国々の共通した特徴は、国家の権力で神に対する信仰を禁止し無神論を注入したことだ。中共は、1949年から一貫して各種の宗教信仰を持続的に圧制して迫害を加えると同時に 「進化論」を強制的に注入した。かくして幾多の中国人たちは自ら 「進化論」を金科玉条のように奉ずるようになっただけでなく、当然世界中が全部このようだと思うようになった。

 中共が民衆たちに進化論を注入したのは、一方で自分の極権統治を守るのが目的であった。なぜならこのようにすれば、無神論の強制的注入に道を敷くことができ、自らを唯一無二の人間世界の救世主として変装させることができるからだ。他の一方では、進化論は「階級闘争」の理論武装に役に立った。マルクスとエンゲルスは、進化論と信仰の関係をとてもはっきり説明した。「今、私たちが進化の概念で宇宙を見てみるとき、この空間にはどのような創造者や統治者も認めることができない」(「マルクス・エンゲルスの宗教論」)。 マルクスはまた、「ダーウィンの著作は大変重要であり、それは自然科学の角度で人類歴史上の階級闘争を支持しており、私の観点と完全に符合する」と付け加えた。エンゲルスは、「(進化論は)19世紀における科学の三大発見の一つだ。優秀なプロレタリアートが、この生存闘争で勝利するだろう」と述べた。

 人類は理性的な思考を持って以降、ずっと「私は誰で、私はどこから来たのか?」という永遠で根本的な問題を追い求めてきた。各種の宗教信仰を消滅させた後、進化論は中共が生命の起源を解釈することができる唯一の学説となった。中文サイトで検索すると、中高等学校教師らの多くが往々にして生物教材の中の「生命の起源と生物進化」という一章についてこのように分析しているのを見つけることができる。「学生たちに生物進化の観点を形成させることは、弁証唯物主義の自然観を樹立するのに重要な意義がある」。それ故中共は、天命を敬畏する中国の伝統文化をとり除くと同時に、進化論を生命の起源と解釈する「唯一の真理」とし、「科学」という名義で中国で強制的注入を行ったのである。今日、中国人の多くが信仰の問題について話す時、大して考えることもなく「私は無神論を信じており、進化論を信じている」と答える。無神論と進化論の是非をめぐる論争はさておいても、実際に絶対多数の中国人について言えば、無神論に対する「信仰」は、本当の意味の信仰ではない。信仰というものは自由な心の選択で 「信仰がない」ということに相対した言葉だ。しかし中共の圧制の下で、誰かが無神論を信じず、進化論を信じなかったら、「封建迷信」「愚昧」「国を台無しにして人民を台無しにする」「科学に反する」などなどの恐ろしい政治的レッテルを貼られ、「広大な人民群衆」から隔離されて、「一握り」の 「改造の対象」になってしまう。このような環境の下で、自由に選択する権利など談ずることができようもないし、さらにはどのような信仰があるといえるのであろうか?

 (続く)

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