中国共産党による強制臓器採取疑惑を調査してきた国際組織「人民法廷」は、6月17日、ロンドンで最終判決を公表した。人民法廷は同判決において、中国では良心の囚人から強制的に臓器を摘出するという慣習は何年も前から存在し続け、現在も続いているという事実や、法輪功学習者が主な臓器供給源となっている点を指摘した。同法廷には約200人が傍聴に訪れた。
「人民法廷」は、昨年10月、英国女王の顧問弁護士を務めるジェフリー・ニース卿が議長となり設立された。多数の法医学的解析、証人喚問、調査などが行われた後、6月18日にロンドンで最終判決が下された。ニース卿は国際刑事犯罪の分野で有名であり、1998年から2006年まで、元ユーゴスラビアのミロセビッチ大統領に対する国際刑事裁判所の起訴を指揮した経験を持つ。


ニース卿は判決を発表する際、「裁判所の構成員は、中国(共産党)が長年にわたり『良心の囚人』からの臓器の強制摘出に関与し、多くの犠牲者を出したことを確信している」と述べた。
人民法廷は、「中国の移植乱用を終わらせる国際同盟(ETAC)」によって設置が促された。法廷は、8か月間にわたって医療専門家、人権捜査官などから証拠を収集した。判決は次のように指摘している。
「法廷はあらゆる証拠を収集・検証し、中国共産党から完全に独立している」
法廷によると、中国の病院による臓器移植の待機時間は非常に短く、通常はわずか数週間であるという。こうしたことは医学理論上もあり得ないことだ。
法廷の捜査官たちは中国の病院に対し、臓器の出所について尋ねるよう呼びかけた。その結果、臓器は法輪功学習者のものであると特定された。
拘束中の法輪功学習者には厳重なチェックが行われる
公聴会では、法輪功学習者とウイグル人が証言し、中国の刑務所で多くの身体検査が行われていると述べた。
女性労働キャンプに1年間投獄された法輪功学習者で、人権活動家のZeng 氏は、人民法廷で、拘禁中に何度も健康診断と血液検査を求められたと証言した。

Zeng氏は次のように述べた。
「労働収容所に送られたその日、私は健康診断のために医務室に連れて行かれました。過去にどのような病気を患ったのについても質問されました。私は肝炎にかかったことがあったのです」
「2度目の検査は労働収容所に入ってから1ヶ月後に行われました。全員が手錠をかけられてバンに乗せられ、徹底的な身体検査のために大病院に送られたのです。労働収容所では3回のレントゲン撮影がありました。中国当局者は私たちに血液検査をすると言い、ホールの中で一列に並ぶよう命令されました」
2001年に中国を脱出した後、Zeng氏は身体検査を繰り返し求められたことを思い出した。中国共産党による臓器収奪を耳にしていたので、「これは臓器採取のための医学的スクリーニング手順である可能性が高い」と思い至ったという。
証言の中で、Zeng氏は次のように語った。
「労働収容所の囚人は、互いに連絡先を交換することは許されていません。ですから解放された後に互いに連絡を取ることは不可能です。誰かが労働収容所から消えた際には、解放されたと考えることもできます」
「しかし、事実はそうではないかもしれません。なぜなら、法輪功学習者は病院に連れて行かれ、臓器を摘出され、命を失っている可能性もあります」
中国共産党による「臓器寄付」制度は混乱している
2014年、中国共産党は死刑囚から臓器を摘出していたことを間接的に認めた。しかし、それ以外の臓器強制収奪については否定を続け、正式に「臓器自主寄付」制度を導入した。
しかしながら、法廷は次のように矛盾を指摘している。
「デジタルデータに残された手術実績は、『臓器自主寄付』制度によって集められた臓器や移植手術の件数一致していない」
「そして『臓器自主寄付』制度が実施される前から、中国は多くの移植手術を行う医療スタッフと大規模施設を持っていた」
法廷は中国で毎年9万件もの移植が行われていると推定している。しかし中国共産党関係者から提供されたデータは、この件数をはるかに下回っている。イギリスでは、患者が移植手術のために中国に行くのを禁止するよう議会に要求した。この提案は50人以上の議員によって支持された。また、イスラエル、イタリア、スペイン、台湾でも同様の制限が課されている。

人民法廷の結論(要約)
中国において、臓器移植に関連する重要施設が解体されたという証拠は裁判所にはない。また、臓器の出所についても中国側から十分な説明がない。そのため、中国が今日まで強い意思をもって臓器採取活動を行っているという事実について認定する。
法廷はこれが大量虐殺であるかどうかを検討した。その結果、中国本土の法輪功学習者およびウイグル人は、大量虐殺受けていると認定する。
裁判所は、臓器摘出を強制することには比類のない犯罪行為であると指摘する。そのため、証拠と法律を比較検討し、ジェノサイド(大量虐殺)が成立したかどうかを判断する目的で、国際司法裁判所または国連が、権利を有する者の責任として調査および訴追を行うべきである。国際司法裁判所または国連は直ちに行動を起こすべきである。
脱党支援センター訳:白洲 一郎
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